住宅事業 プロジェクトストーリー
「ジェイグラン京都西大路」

千年の都に住むという価値を、いくつもの視点から具現化

メンバー紹介

和田 麻由

住宅事業本部 事業推進部 事業推進課
2021年 新卒入社

先輩インタビュー

奥山 真子

住宅事業本部 事業推進部 営業企画課
2021年 新卒入社

川端 望夢

住宅事業本部 カスタマー事業部
品質管理課
2019年 新卒入社

石橋 一樹

住宅事業本部 事業推進部
営業企画課 担当課長

人之間 裕司

JR西日本住宅サービス株式会社 ※グループ会社社員
マンション管理部 部長

「千年の都で暮らす」価値をいかに具現化し、日常に溶け込ませるか

Q.人気のある京都での物件開発。企画段階で意図したことは?

和田

このあたりは平安京の入り口とされた羅城門跡に近い場所で、歴史的にも由緒ある場所です。古地図を調べてみると、16世紀初頭には近くの吉祥天満宮を中心に洛外屈指の集落があったので、人が住みやすい場所だったのではないかと思っています。

そのような歴史的背景は大きな強みですが、いわゆる「The 京都」ではなく、落ちついた京都の上質感を愉しみながら住みやすさにも重視した物件です。このあたりは最先端企業が数多くあるエリアなので、いわゆる別荘ではなく居住用マンションとしてのニーズにしっかり応えることが大切だろうと思いました。

石橋

京都物件の特徴は、全国から問い合わせがあるほど注目度が高いんです。ただ、その中でも、実際に住まわれるのかセカンドハウス目的かによって、求められる仕様やデザイン性もかなり異なってくる。
ターゲット層によって、どのくらいどのように「京都らしさ」を演出するかが悩みどころだったと思います。

Q.落ちついた京都の上質感とは、たとえばどのように?

和田

私は途中から参加したので引き継いだかたちになりますが、一番こだわったのはエントランスのデザイン。京の町家で見かける「千本格子」や「三つ組手」などの吉祥文様をとりいれて、エントランスゲートやその先にある吹抜けのホールに華やかな表情をつくりました。

吉祥文様というのはこの土地に由来するもので、様々な種類がありますが、それぞれに意味があるんです。たとえば、「千本格子」は格子のマス目が魔除けになるとか、「市松」は同じ柄がとぎれることなく続くことから子孫繁栄や事業拡大だったり。外壁など様々なところにモチーフとして使っています。

エントランスアプローチは居住者様が必ず通られるところなので、美しい文様を眺めながらこの土地に思いを寄せつつ、豊かな気持ちになっていただけたらと思っています。

奥山

エレベーターホールから見える中庭にも、市松模様に緑が敷き詰められていて上品な京都らしさがありますよね。デザイン性だけでなく、植栽に地元の植物を選んで緑地計画にも力を入れている。実際にお客様をご案内するときにも、コンセプトがしっかりしているので納得していただきやすいと感じています。

「ここに住みたい」という憧れにはストーリーが必要だ

Q.販売段階になって、お客様の反応はどうでしたか?

奥山

マンションギャラリーにお越しいただいて、皆さまが「わぁー素敵ね」と目をまんまるにしてくださって(笑)、とても嬉しかったです。
私も同様にプロジェクト途中からの参加ですが、マンションギャラリーの作りにも思いが込められているので、石橋さんの「ここに住んでみたい、と憧れていただけるような空間づくりが大切」という話を聞いてなるほどなぁと。

石橋

そんなこと言われると照れますが(笑)。でも、マンションギャラリーで夢を感じていただきたいとはいつも思っているので、今回もこだわったつもりです。シアターの映像などでコンセプトや暮らし方を提案しつつ、建物の模型を見てイメージを膨らませてもらって、ギャラリーへご案内する。

住宅というのは人生に関わる大きな買い物ですから、現実的な仕様にも納得してもらうと同時に、「ここに住みたい」と憧れてもらわないとなかなか意思決定にまでは至らないんです。

奥山

そのために、広告の切り口をいろいろ考えたり、モデルルームのインテリアも同じメッセージが伝わるようにと試行錯誤しましたよね。

Q.営業担当として手応えを感じていますか?

奥山

想定していた以上に、県外からのお問い合わせが多いです。やはり京都という土地の魅力と、駅から近いのでJR沿線からのニーズも高い。住宅というのは、やはり立地の良さが大きな魅力になることを改めて感じさせられました。

石橋

正直いって、初めのころは仕様設備がハイスペックすぎるのではと思っていたんです。ここまで頑張らなくてもいいんじゃないかなと。ただ、実際に販売がスタートすると、仕様設備面での評価がとても高かった。自分のなかでは、良い意味で期待を裏切られた物件です。今後はそういった視点も大切にすべきだなと思いますね。

現場のものづくり、管理側の視点を知ることの大切さ

Q.川端さんは、ゼネコン出向という立場で関わったそうですね?

川端

そうなんです、グループ会社のゼネコンへ出向した第一号が私です。解体工事から竣工まで、とくに内装工事の現場管理はメインで担当させてもらいました。
最初に辞令が出たときは正直びっくりしましたが、建築学科を卒業しているので実際の現場を知りたかったので「これはチャンスだな」と。でも、こんなキラキラしたオフィスではなく、ホコリだらけになりながらの毎日でしたが(笑)。

和田

解体工事の現場管理では、どんなことをしていたのですか?

川端

足場の組み立てから始まって、解体工事全般の管理です。建物を壊すということは近隣の方々にご迷惑をかけるので、危機管理などかなり慎重にやりました。
そうして更地になったところから新築工事が始まって、工事が完了したら顧客の立場である当社が検査にきて、最終的に竣工をむかえるまでの一連の流れを経験させてもらいました。

Q.ゼネコンの視点から学んだことは?

川端

たくさんあります。細部にわたってどのように施工されていくのかを知ることで、図面を作る段階で詰めないといけないポイントが見えてきました。
今は本社にもどって品質管理を担当しているので、発注者・ゼネコン視点で見落としそうな指摘事項もわかるようになりました。

奥山

やっぱり竣工したときは、かなり嬉しかったですか?

川端

いや〜、もう達成感が半端なかった(笑)。毎日現場に行くので冬の寒い日とか早朝とか大変なこともあっただけに、完了した時は「やった!終わったー!」と。
今でも友人と電車に乗っていて、窓越しに物件が見えると「これこれ!見て見てっ!」「え、どれどれっ?」と(笑)。車で通るときも、わざわざ寄り道したりします。

人之間

いい話だなぁ(笑)。ほんとそう思うでしょうね。

Q.人之間さんは管理会社の立場から、どのような関わり方を?

人之間

私は住宅サービスの社員として、当プロジェクトへ参加しました。
私たちの本番は、入居が始まってからの管理運営ではありますが、企画開発段階でも意見を交わすプロセスがあるんです。管理会社の視点というのは、まず入居者様が安全に快適にというのが一番ですから、「もっと安全性の高い素材のほうが良いのでは?」など細部にわたって意見を言わせていただきます。どちらかというと企画にブレーキをかける役割かもしれません。

和田

でも、それが大切だと思っています。企画段階では「こんな仕様にすれば、もっと喜んでいただけるのでは」とメリットの側面から考える立場。その視点も大切ですが、逆に「住んでからデメリットにならないか」という入居してからの視点での意見をいただけるのはとてもありがたいです。

人之間

いろいろな視点から見るということが大事だと思っています。企画に対するアクセルとブレーキ、その両輪があるからいい物件が出来上がるのだと思います。

何十年先も「ジェイグランに住んで良かった」と思っていただけるように

Q.全社的な取り組みであるMake PLACE(コミュニティ形成を支える仕掛け)について聞かせてください。

和田

Make PLACEというのは、マンション内や地域の方々の間でコミュニティを深めてもらうための仕掛けづくり。
ジェイグラン京都西大路でいうと、ラウンジや中庭などにおいてコミュニケーションが取りやすい空間をつくり、セミナーやワークショップを実施しています。
今回の緑地計画でアドバイスをいただいた「京大オリジナル株式会社」にイベント運営をお願いし、環境や京都の歴史について学んでいただくイベントを行っていますが、入居者の方に楽しんでいただいているようです。

石橋

分譲マンションというのは、その土地に新たに何十・何百世帯が移り住まれるので、地域に与える影響も大きい。ファミリーマンションであれば子どもの数も一気に増えたりして、地域の活性化にもつながるわけで、いいコミュニティが形成されることは一つの地域貢献につながる。

私たちはそういう事業に関わっているんだという認識のもと、地域からも愛される物件を作っていかないといけないと思うんです。たとえば、地域の方にも使っていただける敷地内公園などは分かりやすい例ですね。

奥山

私の実家はマンションなんですが、子どもの頃からお隣さんと親しくさせてもらってました。それこそ「お醤油がないから借りてきて」とか母の日は一緒にケーキ焼いたりとか、そんなふうに育ってきたことは、大人になった今でもいい影響を与えてくれている。
コミュニティ形成って強制的にやることではないので、自然に人と人のつながりが生まれる仕掛けをつくっていけたらと思います。その時は意識しなくても、何十年たって振り返ったときに「良かったな」と思っていただけるような関係性を築けたらいいですよね。

Q.「一つの物件を完成させて運営を行っていく」重みを感じますね。

奥山

何十年先にも「ジェイグランに住んで良かったな」と思っていただけるように、企画も現場も管理も一緒になって考えている感じがありますね。

川端

担当はそれぞれ違いますけど、全部つながっていますからね。たとえば、小さな部分であっても施工がきっちりなされていないと、後から管理会社様に迷惑をかけることにもなるので。

人之間

そう言っていただけるとありがたいです。よく言われるのは、事業主にとっては入居時が卒業式。管理会社にとってはそれが結婚式になる。そこからずっとお付き合いが始まるわけです。
良好な関係を築いていくために、入居者様のお困りごとになりそうなことは最初から除いておきたいですし、当社の担当者が代わってもずっと安全で快適な環境を維持できるように、両輪がまわっていかないとね。

石橋

確かにね。なんだかいいチームだなと改めて思いました。今回、みんなで話ができたのは良かったですね。

プロジェクトを振り返って思うこと

和田 麻由の写真

入社2年目の担当物件だったので、初めて主担当として関わらせてもらえた物件です。企画したことが実際の工事でどのように進んでいくのか、課題はどんなところにあるかもこの物件で学ばせてもらいました。
今は大きなプロジェクトにも携わらせていただいているので、ここでの経験が活かせているかなと思います。

先輩インタビュー

奥山 真子の写真

私も和田さんと同期なので、勉強になることばかりでした。石橋さんのマンションギャラリー作りや営業担当としての接し方など、少しでも自分のものにできるように奮闘中です。

川端 望夢の写真

ゼネコンへの出向経験は大きな力になったと思います。品質管理や図面を検討するうえでも、作り手の視点が分かるのと分からないのではかなり違うので。しんどい時もありましたが、いい経験をさせてもらえて感謝しています。

※ 所属部署は、インタビュー当時の部署を掲載しております。